スーツケース1つでミニマリスト生活を実践してみた話












昨年(2019年)11月、思い立ってデパートで大きなスーツケースを買ってきたんですね。サムソナイトの大きいやつで、「エヴォア スピナー75 108L」という商品を選びました。

スーツケース1つに自分の持ってる服は全て収まるのだろうか?

それを急に試したくなりまして…。

[サムソナイト] スーツケース キャリーケース エヴォア スピナー75 保証付 108L 75 cm 5.2kg ブラッシュドシルバー

サイズは縦75cm×横53cm×奥行き30cm。3辺の合計が158cmですので、一般的な航空会社のエコノミークラスで受託手荷物として無料で預かってもらえるギリギリのサイズです。別に全部の服を詰め込んで旅行する計画がある訳ではないのですが、思い立ったらいつでもどこへでもスーツケース1つで旅立てる…!っていう状況を実現したくて。なぜか異様にスーツケース1個というモノサシに執着してしまったのです。

実際にちゃんと荷物は収まりまして、重さは23キロ弱。重量的にも航空会社でギリギリ預かってもらえるか、会社によっては少しオーバーかなという線に落ち着きました!それから約2ヵ月、服をこれに入れたままの状態で毎日バカっバカっと開けたり閉めたりして生活しています。

記事のタイトルはキャッチーに「スーツケース1つのミニマリスト生活」としましたが、正確には「スーツケース1つをタンスとして使う生活」ですね。他の家具はちゃんと持っていますし、極端に物を持たない生活をしている訳ではありません。

実際にやってみて、なんというかものすごく心地良いんですよね。妻からは相当不審がられていますが、それでもやめられません。これからもずっとこの状態で生活するだろうなと思っています。今回は実践してみた上で感じたメリットなどを文章化してみたいなと思っています。

ミニマリスト生活?との出会い

そもそもなぜスーツケース1つ生活を始めようと思い立ったのか。それは明らかに自分が「ミニマリスト」と呼ばれる人たちの生活に共感していたからです。

最近は「無駄なモノを持っている人は馬鹿だ!」って感じの価値観押し付け型ミニマリストの方も目に付くので、自分のことを積極的にミニマリストだと名乗りたくはないのですが、実際自分が必要最低限の持ち物で生活することに心地良さを感じるタイプの人間であることは間違いなさそうです。

話は学生の頃、サッカー元日本代表・長谷部誠選手の著書『心を整える』を読んだ時にまで遡る気がします。『心を整える』は長谷部選手のメンタル調整術をコラムのように様々な切り口から語った本だと記憶していますが、その考え方に深く共感したんですよね。

当時ミニマリストという言葉はなかったですし、長谷部選手も別にミニマリストではないかもしれませんが、そのメンタリティは共通する面があると思います。意識的に1人の時間を大切にする。お気に入りの定番高級腕時計を購入する。そんなエピソードが記憶に残っていますし、自分の人生に影響がありました。

その後時は流れ社会人になり、ミニマリスト界ではよく知れた佐々木典士さんの『ぼくたちに、もうモノは必要ない』に出会います。初めてミニマリストという言葉に出会い、これだ!これこれ!と興奮したのを覚えていますね。

それまでも断捨離という言葉に反応して実践するなど、自分がそういうタイプであったことは確かです。『ぼくモノ』でそれが体系化された感があり、すっきりしましたね。さらにどんどん荷物を減らし、洋服も選別して最小量で着回しできるようにしたり…と色々やりました。節約ということではなくて、むしろブランド品を買ったりもしました。中途半端な物ではなく、心から好きな一品を探すことにプライオリティを置いていた気がします。

そんな最中に、元朝日新聞記者・稲垣えみ子さんの『寂しい生活』や『魂の退社』といった著書にも出会い、さらに共感を深めていきます。稲垣さんは別にミニマリストを名乗っている訳ではないですが、実質的な志向は共通している気がします。

「妻と同居」という新たなフェーズ

そうやって順調に自分のミニマム生活を満喫していた訳ですが、自分の人生に新たなフェーズを迎えました。妻との同居です。婚約して数年前から一緒に住み始めたのです。

同居自体はとても楽しいことでした。一方で、妻はあまりミニマム生活には関心がないため、部屋はごく一般的な家具が揃っていきます。イメージしていたミニマリストの生活からは程遠く、少し息苦しくも感じました。

ただ、別に妻にミニマリストになってもらう訳にもいきません。ミニマリストはわざわざなるものではなくて、共感した人が自然になっていくものだと思うんですね。それで、やっぱり結婚して家族ができるとミニマムな生活ってのは難しいよなあ…と諦めかけていました。

自分の考えも揺らいで、また持ち物が増えていきました。すると、やっぱりどうも心が落ち着かない…。しかし部屋全体をミニマム化はできない…。そこで思い付いたのがスーツケース1つに自分の荷物(衣服)を詰め込むことだったのです。

スーツケースに詰め込んでみて

クローゼットから衣服を全部取り出し、再点検して一部を改めて断捨離し、パッキング用の小分けポーチにザックリ分類しながら旅行準備の要領でスーツケースに詰め込んでいきました。

しばらくそのまま生活してみて、不思議な心地よさに包まれていったんですよね。旅行準備の要領で詰め込んだ、と言いましたが、その後もまさに旅行中のような感じです。長期滞在者の様なイメージで、朝必要な服をスーツケースから取り出して着用。洗濯乾燥機から仕上がった服をまたパッキングします。

それで感じたのは、

自宅がまるでゲストハウスみたいだ…!

…という感覚だったのです。洗濯乾燥機やキッチン、トイレ、お風呂は同居の妻(仮想他の旅行者)と共有。ダイニングテーブルや居間は共用スペースとして利用し、寛ぐ。そして自分の荷物はスーツケースに収まっている、と。

スーツケースに服を全部詰めただけで何を大袈裟な!と思われそうですが、意外にも効果抜群だったのです笑。それから、「洗濯当番」もなくなりました。当番ではなくて、自分の分の洗濯物をそれぞれ自分のカゴにいれておいて、洗濯乾燥機が空いている時に自分で回します。なんか学生のシェアハウスみたいでしょう?笑

「マイスペース」の誕生

ちょっと分析的な言い方をすると、スーツケース1つに荷物を詰め込んだことで「マイスペース」をちゃんと確保できた感覚が大きかったように思います。スーツケースという視覚的に分かりやすい1つの物体を「自分の物」と認識することで、部屋全体は自分の物ではない「共有の物」と認識できるようになった訳です。

それまでは極端な言い方をすれば、部屋全体が「自分の物」で、そこにミニマリストではない妻が入ってきてミニマリズム的な空間を壊しているという感覚があったのかもしれません。だから心が落ち着かなかったんですね。

この変化が、スーツケース1つに服を詰め込むだけで起こった訳ですから面白い体験だったと思います。家族全体はともかくとして、自分自身はとても身軽に、それこそスーツケース1つでどこにでも行ける!という感覚で生きていけます。

ミニマリストって独身か、ミニマリスト同士のカップルでないと実現しないよな〜と悩んでいる人がいたら(そんな人いるのか!?笑)、ぜひ試してみて欲しいです。実際に航空会社の受託手荷物で預けられるサイジングにこだわるのもポイントです。リアリティがあって身軽感がホンモノになります。

[サムソナイト] スーツケース キャリーケース エヴォア スピナー75 保証付 108L 75 cm 5.2kg ブラッシュドシルバー